国立天文台産業連携室

国立天文台の技術ポートフォリオ

国立天文台が培ってきた「見る」「測る」を極める技術の一端をご紹介します。

高感度・大画素 可視光赤外線センサー

すばる望遠鏡の心臓部であるCCDセンサーを企業と共同開発しました。また、赤外線に高い感度を持つInGaAsセンサーの国産化を推進しています。

写真:すばる望遠鏡超広視野主焦点カメラのCCDデュワー。

キーワード:光計測、低温、真空、機械設計、高精度加工

すばる望遠鏡超広視野主焦点カメラHSC

大気揺らぎを測り打ち消す補償光学

星像の揺らぎを毎秒1000回以上測定するセンサー技術と高速線形演算処理を組み合わせ、ミリ秒の応答時間・数ナノメートルの精度で可変形鏡をリアルタイムで動かして光の乱れを直します。

写真:すばる望遠鏡向け極限補償光学装置SCExAO

キーワード:高速高精度アクチュエータ、高速演算処理、高速読み出し高感度検出器、光学設計

すばる望遠鏡SCExAO

宇宙望遠鏡技術

太陽観測衛星「ひので」では、口径50cmの光学宇宙望遠鏡システムの設計・組み立て・性能評価を企業と協力して一環して実施し、世界最高クラスの撮像性能を実現しました。さまざまな人工衛星・観測ロケットミッションに対応して、宇宙で使用できる光学装置の設計・開発・試験などを行う技術を蓄積しています。

写真:国立天文台にて試験中の「ひので」可視光磁場望遠鏡

キーワード:宇宙用光学装置設計、宇宙環境模擬試験、熱制御、真空

太陽観測衛星「ひので」

超高感度電波受信システム

ニオブや窒化ニオブチタンの超伝導薄膜を使った世界最高性能のミリ波・テラヘルツ波受信素子を開発し、アルマ望遠鏡などに搭載しています。また、世界でもユニークな電波光学設計技術を用いた光学部品開発も進めています。

写真:国立天文台が開発した、左から150/450/900 GHz帯の超伝導受信機

キーワード:ミリ波・テラヘルツ波、超伝導薄膜、高精度加工、極低温、真空

アルマ望遠鏡

高精度信号を作り高品位に送る技術

電波望遠鏡への搭載を目指して、様々な周波数帯の信号を超高周波数分解能で連続的に光信号にする技術、光ファイバによる信号の乱れを補正、高精度を維持した信号を伝送する技術を開発しています。

写真:国立天文台が開発した、フォトニック信号発生装置

キーワード:ミリ波・テラヘルツ波、電波計測、フォトニック、光シンセサイザ、超高速エレクトロニクス

振動を原子の大きさの10億分の1に抑える防振技術

重力波望遠鏡KAGRAの鏡の防振装置を開発しました。倒立振子やgeometric anti-springなどの低い共振周波数を持つ機械要素を組み合わせた防振フィルタを複数重ね、振動の大きさは10-19m(原子の大きさの10億分の1)と、人類未踏の安定度を実現しています。

写真:KAGRAの鏡(赤色部分は保護膜)を懸架する防振装置

キーワード:防振、機械設計、高精度加工、真空、低温

大型低温重力波望遠鏡KAGRA